【開催概要】
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[開催日]
令和元年8月21日(水)・22日(木)
[会場]
埼玉会館
[募集定員]
100名(一般50名/福祉職従事者研修40名/学生・新任者研修10名)
[参加人数]
118名(一般50名/福祉職従事者研修22名/新任者研修5名/出演者15名/関係者26名)
[開催委員会構成法人]
社会福祉法人昴・社会福祉法人清心会・NPO法人エンジョイ・パートナーほっと・社会福祉法人じりつ・社会福祉法人フラット・株式会社ベストサポート・社会福祉法人八ヶ岳名水会・社会福祉法人みんなでいきる
【レポート】
[共通プログラム]
◎表現活動:ダンスチーム“ベストプレイス”による、動と静とが交差し、軽快な即興ダンスを織り込んだパフォーマンスで始まり、「障害者アートを応援しています!」を合言葉とする埼玉県庁の清水順平さんによる様々な取り組みの報告と、ダンスチーム”ハンドルズ”メンバーの清心会さやかグループ堀口旬一朗さんを中心としたトークがあり、会場が暖かな雰囲気に満たされた。
◎基調講演:実行委員会委員で地元北九州市を拠点とするホームレス支援の活動で著名なNPO法人抱樸(ほうぼく)理事長の奥田知志さんから「いのちに意味がある~私たちは何を大切にしてきたのか~」の基調講演があった。最近起きた二つの事件(川崎・練馬)の背景を引き合いに、他人の不幸や不運を踏み台にする“分断社会”ではなく、多様な人たちがつながる共生社会を“大変であるが”一緒に築きあげていこうというエールがあり、また、世の中のために良いことをした、と確信するやまゆり園事件の容疑者に対して何を語るのか?という宿題が受講者に出された。
◎映像&トーク:初日の午後からは、NHKスペシャル第6集「この子らを世の光に」(2007年3月放送)の上映と制作者のNHKチーフプロデューサーの牧野望(のぞむ)さんのトークで糸賀一雄氏・池田太郎氏・田村一二氏の実践・思想と取り組みが紹介された。現代に脈々と受け継がれている先人の福祉の思想について、分かりやすく伝えてもらうことで、共生社会という理念が生まれた背景を大いに感じ取れた。
[研修プログラム]
◎中堅以上の福祉職従事者を対象とする語り部養成研修には、22人が参加した。5テーブルに分かれ、各テーブルに1名ずつ配置のファシリテーターがサポートし、NPO法人とんがるちから研究所の竹岡寛文さんと開催委員会委員長の丹羽彩文さんがワークシートを用いて進行した。
最初に、言語以外のコミュニケーション手段で誕生の月日順に並ぶというアイスブレイクがあり、初日は、福祉の思想や普遍的価値を共有するため、基調講演や映像&トークプログラムを題材に、共生社会とは何かなどの個人の内面に向き合うワークとグループディスカッションが行われた。発表をグループごとに行ったのち、助言者の(社福)清心会の岡部浩之さんと、NPO法人脳損傷友の会高知の片岡保憲さんから講評があった。また、明日のセッションに向けて、実行委員でもある全国手をつなぐ育成会連合会の久保厚子会長から、声明に至った経緯の説明があった。
二日目の午前は、やまゆり園事件をどう受け止めるのか、全育連の声明への反応について各自が引っかかるところをグループで共有し、“生きる意味のない命がある”“障害者は社会に不幸をもたらすだけ“という考えに同調する意見に返す言葉を持つワークが行われた。午後からは、グループワーク研修1と2を踏まえて、それぞれが自らの職場に戻って語りの場を持つことができるよう、サポートを受けながらアクションプランが作成された。セッションごとの講評と最終の講評は、片岡さんと岡部さんが行った。
◎学生グループは、福祉を学ぶ現役学生と、福祉職初任者の計6名が参加し、WGメンバーで(社福)西宮市社会福祉協議会の玉木幸則さんがファシリテーターやアドバイザーとして進行し、(社福)グローの御代田太一さんがサポート役として加わった。まずは自己紹介。今回はすでに福祉業界で仕事を始めた初任者が多く、福祉を志した経緯から、今どんな人を支援しているのかまで、じっくり話しをした。また、前半のパフォーマンス、奥田知志さんの講演、糸賀一雄さんの映像について、振り返るために、一つ一つについて、感想を述べながら、フリーディスカッションした。
二日目は、初日の議論を振り返りながら、テーマを絞って深堀り。言葉でのコミュニケーションが難しい利用者を普段支援している方が多かったこともあり、「本人の意思をどうくみ取るのか?」「現場で実際にどんな工夫をしているのか?」などを中心に議論が広がった。午後は、玉木さんから、自身の小学校時代の体験なども踏まえ、「インクルーシブな社会とは何か?」をテーマに話があった。途中でバリバラの映像も視聴。最後には終了時間も越えるまで「障害とは?」「共生社会とは?」といった話題について、頭を捻りながら言葉を紡ぐ時間となった。
最後に、地元協力法人の(社福)清心会理事長の村山勇治さんから閉会あいさつがあり、全てのプログラムが終了した。