【開催概要】
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[開催日]
令和元年9月25日(水)・26日(木)
[会場]
米子商工会議所
[募集定員]
100名(一般50名/福祉職従事者40名/学生・新任者10名)
[参加人数]
155名(一般61名/福祉職従事者30名/新任者10名/出演者15名/関係者39名)
[開催委員会構成法人]
社会福祉法人鳥取県社会福祉協議会・鳥取県立皆成学園・鳥取県知的障害者福祉協会・NPO法人あかり広場・社会福祉法人もみの木福祉会・鳥取県手をつなぐ育成会・社会福祉法人養和会・社会福祉法人鳥取県厚生事業団皆生やまと園・鳥取県福祉保健部障がい福祉課・米子市福祉保健部障がい者支援課・境港市福祉保健部福祉課
【レポート】
[共通プログラム]
◎表現活動:AKARI ALL STARS によるダンスパフォーマンスでプログラムが始まり、一人ひとりが光輝く元気あふれるパフォーマンスに、大きな拍手が起こった。続いて、県内外で活躍するリヴよどえ郷土芸能部による伝統芸能「淀江さんこ節」銭太鼓が披露され、米子東高校ダンス部20名による切れの良いダンスと華麗な指さばきの手話パフォーマンスが観客を魅了した。さらに、鳥取県の谷俊輔障がい福祉課課長からあいサポート運動や障害者アートの振興について、アートアドバイザーの水田美世さんからあかり広場のアート活動についての紹介があった。米子東高校ダンス部は、全国大会(高校生手話パフォーマンス甲子園)直前にもかかわらずの出演で、さらに全員残って午前中の基調講演に参加した。
◎基調講演:実行委員会委員でNPO法人抱樸(ほうぼく)理事長の奥田知志さんから「いのちに意味がある~私たちは何を大切にしてきたのか~」の基調講演があった。、最初に会場の高校生に「一人の命は地球より重い」という言葉についての問いかけがあり、この言葉が今に引き継がれなかったことが命の格差が広がったことを示している、最近起きた二つの事件(川崎・練馬)の背景には、「常態化した自己責任論社会」があり、「迷惑は悪」という考えが孤立を助長している、という指摘があった。他人の不幸や不運を踏み台にする“分断社会”ではなく、多様な人たちがつながる共生社会を“大変であるが”一緒に築きあげていこう、いのちに意味がある!という第一の言葉で共生社会を語ろう、という提言があった。また、受講者に向けて、やまゆり園事件が意味することとは?世の中のために良いことをしたという確信の基準としての「生産性」とは?事件の容疑者に対して、同じ時代の子であるあなたは何を語るのか?という問いかけがあった。
◎映像&トーク:NHKスペシャル第6集「この子らを世の光に」(2007年3月放送)の上映と制作者の牧野望チーフプロデューサーのトークで糸賀一雄氏・池田太郎氏・田村一二氏の実践・思想と現代に受け継ぐ取り組みが紹介された。牧野さんからは、「糸賀さん池田さん田村さんら先人を知らなかった人たちにとって、すこしでも近づけるきっかけになれば、本当にうれしい。フォーラムに集う人たちは、糸賀さんらと同じく実践者。三人と同じように悩みもがき、時にはあきらめそうになるが、それ以上の喜びや泣き笑いが折々にあって、そんなに大きな違いは無い、と毎回フォーラムのディスカッションの場などで感じている。米子でも同じ気持ちになった。」という温かいメッセージが届けられた。
[研修プログラム]
◎中堅以上の福祉職従事者を対象とする語り部養成研修には、30人が参加した。6テーブルに分かれ、各テーブルに1名ずつ配置のファシリテーターがサポートし、とんがるちから研究所の近藤紀章さんと(社福)清心会の岡部浩之さんがワークシートを用いて進行した。アイスブレイクによるメンバーの関係づくりから始まり、初日は、基調講演などを見て感じたこと、共生社会とは何かなどの個人ワークとグループでの共有。発表は、会場を半分に分けグループごとに行ったのち、WGリーダーで(社福)昴の丹羽彩文さん、滋賀県障害福祉課の大平眞太郎さんおよび厚生労働省障害福祉課相談支援専門官の藤川雄一さんから講評があり、全育連統括の田中正博さんから声明に至った経緯の説明があった。
二日目は、やまゆり園事件をどう受け止めるのか、全育連の声明への反応で各自が思うところをグループで共有。職場で取り組む基本理念普及のアクションプランを各自が考え、グループでブラッシュアップ。これらのセッションが行われ、アクションプランとして“共生社会フォーラムを地元で開催する”という発表もあった。最終の講評は、助言者の丹羽さんや藤川さん、田中さんから、2日間の研修を振り返り、「福祉の思想に学び、実践し、語る人へ」という研修のサブタイトルどおり、成果を持ち帰って職場や地域でアクションを起こすことを期待するというエールが送られた。
◎学生グループは、WGメンバーの玉木幸則さんと御代田太一さんがファシリテーターやアドバイザーとして進行し、新任職員10名が受講した。今回は、初の全員社会人。平均年齢も一番高く、参加者数も一番多い初任者グループだったが、それぞれが福祉に関わるようになった経緯など全員の自己紹介を終えた後、「現場での利用者と支援者の呼び方から考える関係性」、「利用者の意思確認をめぐる難しさ」などをテーマに、それぞれの現場での経験をベースにしてフリーディスカッションを行った。
二日目は、「障害とは?」「福祉とは?」をテーマにこれまでの既定概念を疑うことや、福祉や障害のある人との関わりのない人に理解を広めていく必要性・その方法についての話し合いがあった。午後からは、玉木さんの講義により共生社会についての基本的な考え方を学び、最後に、研修で学んだことを明日からの自分たちの行動にどう活かしていくのかを共有することで、お互いの活力を高め合った。
最後に、厚生労働省の菊池課長補佐および全育連会長で糸賀一雄記念財団副理事長の久保さんから閉会の挨拶があり、全てのプログラムが終了した。