兵庫開催回(2019.11)レポート

【開催概要】

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[開催日]
令和元年11月26日(火)・27日(水)

[会場]
西宮市立勤労会館(1日目)・西宮市総合福祉センター(2日目)

[募集定員]
100名(一般50名/福祉職従事者40名/学生・新任者10名)

[参加人数]
166名(一般69名/福祉職従事者16名/新任者4名/出演者30名/関係者47名)

[開催委員会構成法人]
社会福祉法人尼崎武庫川園・社会福祉法人一羊会・社会福祉法人円勝会・社会福祉法人甲山福祉センター・社会福祉法人聖徳園・社会福祉法人新生会・社会福祉法人東宏会・社会福祉法人西宮市社会福祉協議会・社会福祉法人西宮市社会福祉事業団・社会福祉法人阪神福祉事業団・西宮市肢体不自由児者父母の会・西宮市手をつなぐ育成会・西宮市障害福祉課・西宮市生活支援課・西宮市地域共生推進課

 

【レポート】

[共通プログラム]

◎表現活動:和太鼓ふたばによる和太鼓チーム演奏で幕が上がり、シャーシーバンドによる歌唱&演奏でプログラムが始まった。迫力ある和太鼓の響きと一人ひとりが光輝く元気あふれるパフォーマンスに、大きな拍手が起こった。
2019.11兵庫/表現活動

◎基調講演:実行委員会委員で元毎日新聞社論説委員の野澤和弘さんから「かけがえのないいのちの発信~福祉の思想の伝え方~」のテーマで講演があった。やまゆり園事件の犯行の背景にある施設の問題、重度の障害があるお子さんとの30年来のつきあいにより、理解するのは難しいが決して犯人の言う“心失者”ではない彼らの世界があること、糸賀一雄氏が著書で「重症の子どもたちは自分で光れないと考えられていたが、実は自分で光っていた」と記されている紹介があった。東京大学のゼミでの学生とALS患者の方との交流の話があり、午後からの研修受講者に向けて、「この子らを世の光に」という言葉で世の中に訴えてこられた糸賀一雄氏の生きざまを学び、重度の障害がある人を通して人の生きている意味や存在意義を今一度考えようという宿題が出された。

◎映像&トーク:NHKスペシャル第6集「この子らを世の光に」(2007年3月放送)の上映と制作者の牧野望チーフプロデューサーのトークで糸賀一雄氏・池田太郎氏・田村一二氏の実践・思想と現代に受け継ぐ取り組みが紹介された。
2019.11兵庫/野澤氏・牧野氏講演

[研修プログラム]

◎中堅以上の福祉職従事者を対象とする福祉支援語り部養成研修には、行政職員も含め16人が参加した。4テーブルに分かれ、各テーブルに1名ずつ配置のファシリテーターがサポートし、とんがるちから研究所の竹岡さんと(社福)清心会の岡部さんがワークシートを用いて進行した。アイスブレイクによるメンバーの関係づくりから始まり、初日は、基調講演などを見て感じたこと、共生社会とは何かなどの個人ワークとグループでの共有。グループごとの発表のあと、助言者の大平さんとWGリーダーで全育連統括の田中正博さんから講評があった。また、実行委員会座長代理で糸賀財団副理事長の久保さんから、親の会でも声明や匿名報道に賛否両論があったこと、どの人にも心の奥底に差別意識があること、わが子を差別のない共生社会で幸せに暮らさせたいとのお話があり、答えは出ないだろうが方向性は確認していただきたいというエールがあり、初日の幕を閉じた。
2019.11兵庫/福祉支援語り部養成研修1

二日目は、やまゆり園事件をどう受け止めるのか、全育連の声明への反応で各自が思うところをグループで共有。職場で取り組む基本理念普及のアクションプランを各自が考え、グループでブラッシュアップ。これらのセッションが行われた。最終の講評は、助言者の大平さんから、2日間の研修を振り返り、共生社会を具体的に考えるのは難しく、障害者が一番取り残され易いことから、我々が最も考えやすい立場であり、「福祉の思想に学び、実践し、語る人へ」という研修のサブタイトルどおり、成果を持ち帰って職場や地域で実践者としてアクションを起こすことを期待するというエールが送られた。また、田中さんからは、この研修を組むまでのWG会議や親会の実行委員会での経過が紹介され、共生社会を考える上での視点や立ち位置について総括となる講評が述べられた。
2019.11兵庫/福祉支援語り部養成研修2

◎学生・新任者グループには、新任4名で、福祉現場で支援をする方、行政的な立場で福祉に関わる方など多様なバックグラウンドの方が参加した。「バリバラ」のレギュラーコメンテーターの玉木幸則さんが進行と助言を行い、滋賀の救護施設で働く新採2年目の御代田さんがサポートした。今回、初めてとんがるちから研究所の近藤さんも加わった。初日のプログラムを振り返るとともに、それぞれが福祉に関わるようになったきっかけや想いなど全員の自己紹介を終えた後、「福祉の支援は接客業か、そうでないか」、「利用者の意思確認をめぐる難しさ」などをテーマに、それぞれの現場での経験をベースにフリーディスカッションを行った。
二日目は、「障害とは?」「福祉とは?」をテーマにこれまでの既定概念を疑うことや、福祉や障害のある人との関わりのない人に理解を広めていく必要性やその方法について話し合った。午後からは、玉木さんの講義により共生社会についての基本的な考え方を学び、最後に、研修で学んだことを明日からの自分たちの行動にどう活かしていくのかを共有することで、お互いの活力を高め合った。
2019.11兵庫/学生・新任者

最後に、地元開催委員会副委員長の清水明彦さん(令和元年度第21回糸賀一雄記念賞受賞者)から、「共生社会を絶対つくるぞ、と叫ぶばかりでなく、丁寧さと組み立てられたプログラムがものすごく大事であることをつくづくと感じた。真の共生社会の実現に向けて、必ずや共生社会フォーラムを継続し、進化させ広げていく、ということを胸に誓う。」と熱い閉会の挨拶があり、全てのプログラムが終了した。
2019.11兵庫/集合写真

kminami