全体フォーラム(2020.2)レポート

【開催概要】

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[開催日]
令和2年2月7日(金)

[会場]
大津プリンスホテル

[募集定員]
300名

[参加人数]
講演&上映56名/シンポジウム&講演(アメニティーフォーラムとの連携開催)約900名/表現活動39名/交流集会27名

[協力法人]
社会福祉法人グロー・全国手をつなぐ育成会連合会・社会福祉法人清心会・NPO法人とんがるちから研究所・滋賀県

 

【レポート】

[共通プログラム]

◎講演&上映:NHKスペシャル第6集「この子らを世の光に」(2007年3月放送)の上映と制作者の牧野望チーフプロデューサーのトークにより糸賀一雄氏・池田太郎氏・田村一二氏の実践・思想と現代に受け継ぐ取り組みが紹介された。

上映会場

糸賀一雄・池田太郎・田村一二

◎シンポジウム:第24回アメニティーフォーラムとの共通プログラムとして、「命が大切であることを、言い切る」をテーマに、東京大学特任教授で糸賀一雄記念財団理事長の辻哲夫さん、元滋賀県医師会会長で糸賀一雄記念財団理事の笠原吉孝さん、元熊本県知事で(社福)慈愛園理事長の潮谷義子さんがシンポジストで、実行委員でNPO法人抱樸理事長の奥田知志さんによる進行でシンポジウムを行った。全国から集まった約900名の福祉に携わる現場職員、経営者、行政職員などに対して、共生社会フォーラムで伝えようとした「命の大切さ」「共生社会のありよう」について、意見交換した。(シンポジウムの概要は後述)

シンポジウム1シンポジウム2

◎講演:第24回アメニティーフォーラムとの共通プログラムとして、実行委員で共生社会フォーラムの基調講演を行った野澤和弘さんが登壇し、36年間の新聞記者活動を振り返り、フォーラムに集った人たちへのメッセージを熱く伝えた。
・重度の障害の方を、植松被告は生きる意味がない、社会に不幸をもたらすと言うが、そうじゃない。やっぱり彼らにも生きている意味とか価値がある。彼らのその存在というのは、色んなところで障害のある子を持った、兄弟や親たちに勇気づけの影響を与えている。
・戦後の障害児教育、障害福祉を立ち上げた我々の大先輩の糸賀一雄さんは「この子らを世の光に」という言葉を残した。この子らに光ではなく、この子らこそ世の光になるんだと。自分たち、福祉に携わっているものが、この光を知っているわけで、この光を世の中に紹介するんだという言葉。糸賀さんがこの言葉を書いたこの時期というのは、優生保護法による強制手術が行われていて、国をあげて障害者の存在というのを否定してきた時期。この大嵐の中でたった1人この糸賀一雄が立ち上がって、この子らを世の光にって叫んだ。この彼の言葉の重さというのを、もう一度我々はきちんと受け止めないといけない。
・主宰する東京大学のゼミの学生が、寝たきりのALS患者の岡部宏生さんから「命って何だと思う?君は何のために生きているのだ」と問いかけられた時に、自分のちっぽけな価値観が吹き飛んでいくような感じがした、と言う。「かつて社会を勝ち抜くことだけを考え、テストで良い点数を取ることだけを価値観としてやってきて、中・高・大と駆け上がり、頂点に立った時に、その先に何にも見えなかった。辛かった」と言う彼は、今、救護施設で働いている。
・自分の中に中心がある若者たちよ。人間はちっぽけな存在で、流れ星のように誰かに気づかれることもなく、生きては消えていく。これからの社会課題に向かって、温もりを一瞬だけ残すように、荒野を目指そう。荒野から世界を変えよう。

野澤氏講演野澤氏講演資料

◎表現活動:2020東京大会・日本博グランドオープニングとして開催された展覧会、バリアフリー映画祭およびアールブリュットワールドフォーラムの視聴を通じて、直感的に障害や障害者理解を深めた。

フェスティバルロゴ

展示作品1

展示作品2

画像(上記3点)は障害者の文化芸術国際交流事業実行委員会事務局(社会福祉法人グロー)より転載

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